化粧品開発者の思いに迫る
目的は製品化ではなく、リピートして頂ける化粧品を創ること
化粧品開発者の思いに迫る
美しい容器や、華やかな広告。
今回は、その裏にある化粧品の開発舞台を紹介します。
社内での製品化点数No.1を誇る実力派、近代化粧品の開発に情熱を注ぐお二人にお話を伺いました。
発展し続ける化粧品と終わりのない開発
化粧品の処方は今日まで、多くの文化や最新技術を織り交ぜながら、より新しいものへ、より良いものへと進化を遂げてきた。
その速度は近年の技術進歩に伴い加速している。この流れに深く関わっているのが化粧品開発者だ。
Q. 化粧品開発に対する信念を教えて下さい。
磯山:本当に「良い」化粧品とは何かを考え、常にベストな状態を追い求めています。
極論をいうと、一つの商品開発にあたり無限にある試作パターンの全てを精査したいです。
小嶋:妥協は絶対にしません。自分が納得するまで試作を繰り返します。
使用感はもちろん、容器との相性など細部にまでこだわり抜きます。納得いく処方でも、容器から取り出しにくいのであれば良い化粧品とは言えません。
それぞれの開発への信念を熱く語った二人。製品化ではなく、使用して認められ、リピートして頂ける化粧品開発を心がけているのだそう。
また、自己完結しないよう、試作品の評価は、社内、モニターにおいても実施しているとのこと。製品化後もレビューや口コミを参考にしながら次の試作に繋げているという。
磯山:試作を繰り返す中で日々新しい発見があります。製品化された処方も完成ではないと考えています。
処方に完成は無く、応用と発見の繰り返しです。
別々の会社に勤めながらも、定期的に化粧品について語り合う仲。
Q. 難しい依頼と対処法を教えて下さい。
小嶋:試作条件が100%ボタニカル成分でのご依頼や、高価な化粧品にキャッチアップする製品を安価で創りたいというご依頼は、使用する成分や配合量に限りが出てくるため、その中で良い使用感に仕上げることは難しいです。
「これを配合できれば…」という自分との葛藤があります。対処法はシンプルに繰り返し試作することです。可能な限りベストな使用感を目指します。
磯山:相反する要望を求められることです。例えばマットなグロス≠ニいったご依頼です。
グロスで主となるオイルはツヤの出やすいもので、マットとは相反します。ツヤがですぎても、マットすぎてもNGのため、最適なバランスをとるために試作の積み重ねが必要となります。
難易度は高いですが、他の商品との差別化を図れるため、やりがいを感じます。
ビー・エイチの売れ筋美容液特集
その理由を開発者目線から探る
肌は親油性。美容成分は水溶性のものが多いが、ここでは両親媒性の化合物が配合されている。
それを純水の中に入れることで、ヒト幹細胞培養液エキスなどの美容成分と結びつき、肌につけたときに、それら美容成分が肌の油分とまじわり、馴染みやすくなる工夫が施されている。
■S.Relaje(リラージェ)美容液
余計なものが一切入っていない。水は配合されておらず粉体状のため、防腐剤の必要もない。APPSは両親媒性の性質を持ちながらもやや不安定で、時間とともに析出する場合もある。
この製品は粉体で小分けにされているため、必要な時に必要な分だけ新鮮な状態で使用できるのが良い。
■APPSパウダー
保湿力の高いシロキクラゲ多糖体の特長であるコクのある粘性を感じる。
即時的なハリ感成分や表情ジワ抑制成分など多角的にシワにアプローチ。ベタつきも抑えられており、塗布後もつっぱることなく柔軟な膜感を感じる。
また全成分上からプラセンタエキスがおしみなく使用されている。
■LNC(エルエヌシー)DIAセラム
純水にビタミンC誘導体を溶解している。処方としては、ビタミンCに特化しているため、シンプルで重ね付けしても他の化粧品の妨げになることはない。
増粘剤ではなく、ヒアルロン酸Naのみで贅沢にとろみを出している。
■gracieux(グラシュー)ビタミンC誘導体
ワックスとオイルのバランスが良く、繰り出した時の状態がキレイ。塗布面の脆さはなく、均一な塗り心地。抱水性が高く、なめらかで保湿感のある仕上がりになっている。
美容液でありながら持ち運びが便利である点も魅力的だ。
■Rey(レイ)アースリング プレススティック